プロが実践する不動産投資物件の選び方・テクニック 応用編

下記のコラムに続き、今回も不動産投資物件の選び方やテクニックをご紹介して参ります。一般投資家でも行えるテクニックですが、若干難易度は高めです。しかし、実践することによって得られる利益はとても大きいので、可能な部分は実践されることをお勧めします。

プロレベルの収益を出すために

まず、不動産のプロというのは不動産業者のことをさしています。投資家は、いくら資金があったとしても、不動産売買を年に何度も行うことはできませんし、一棟物件を部屋ごとに分譲することもできません。これは「宅地建物取引業法」という法律で決まっています。

このように、宅地建物取引業法(以下、宅建業法)で取引可能な内容に差がある分、投資家はプロより利益を出し難い現実は否定できません。しかし、プロとはいえ従業員が優れているとも限りません。その理由は、零細企業でも大手企業でも、不動産投資に取り組んでいるのはごく少数ですし、それどころか、投資すらやったことのない素人が沢山います。なので、不動産業者の方が利益を出しやすいものの、従業員一人一人が投資家としての目線を持っている訳ではありませんので、彼らより高い交渉術を持っていれば仕入や売り抜けは可能なのです。私が以前勤めた会社に年収3000万のエリート営業マンがいましたが、投資家としての才能はありませんでした。所有物件は、単身者向けの区分マンション1部屋のみで利回りも微々たるものでした(購入したのは営業活動のためで、物件を探すのが面倒くさかったとのことですが)。このケースに限らず、営業マンとしては一流でも投資家としてはビギナークラスな方は意外と多くいます。もちろん、積極的に物件を所有しながら交渉術が高い方も一定数いらっしゃいます(経営者に多い)。

本題ですが、プロレベルの収益を上げていくには、一般人にもできる範囲でプロを超えていく必要があります。

そこで今回、具体的なテクニックを3点まとめました。

◆家賃交渉

上記のコラムの「あえて収益性の悪い物件に投資する方法」の内容とも通じておりますが、低い家賃のまま借主が退去するのを待っていては投資のパフォーマンスが落ちてしまいます。

なので、パフォーマンスを向上させるため、借主には家賃を上げる理由を理解してもらわなければなりません。

方法として、具体的に今より家賃が高くて然るべき理由を説明するのです。例えば、周辺家賃に比べて安く貸している場合などは理由を説明しやすいでしょう。もしお互い平行線のまま解決できず、しかし家賃を上げたい場合は裁判も可能です。勝訴できるかは弁護士にお尋ねください。

また、家賃を引き上げるタイミングですが、契約の更新時がお勧めです。契約の途中で家賃を引き上げるのは難しい交渉となります。交渉があまりにも難しい場合は、立ち退きも検討してください。

どちらにせよ、心が痛む方にはお勧めできません。

他に家他に家賃を引き上げる方法として、人気の物件しかできませんが、同時に複数の申し込みを取り入札形式で家賃を変動させる方法があります。実際に、東京の三軒茶屋駅徒歩1分・募集家賃85万の空き店舗を95万まで引き上げ飲食店と契約になりました。ただしそれなりの交渉術が必要です。

ちなちなみに、賃料を引き上げる理由は売却をするためです。理由は単純で、利回りの低いエリアで成功すれば効果は絶大だからです。逆に、長期所有目的で賃上げをしても数年後に下がってしまう可能性もありますので、上がったら売却を視野に入れてください。

◆用途変更

行政や管理組合に赴き不動産の用途を変更するよう交渉します(役人の発言は曖昧なことが多いので、担当者の名前の確認と録音を忘れずにクローズド・クエスチョンを心がけてください)。難易度は高いですが、成功することで不動産価値を大きく引き上げることができます。

以前、消防法の絡みで事務所用途のみという案件がありましたが、行政と管理組合の許可を得てシェアオフィスと契約したことで90万の募集家賃を110万まで引き上げることに成功したことがあります。

また、稀にあるのが、仲介業者が使用できる用途を誤解しているケースです。以前、仲介業者がビルのテナントを作業所として募集していた物件がありましたが、行政に用途について確認したところ、一部の店舗用途で使用可能ということが分かりました。後に店舗用途可能と再募集し、スポーツジムと契約を結ぶこととなり、収益が大きく向上したこともございます。数字では、作業所としての募集家賃は坪5000円でしたが、店舗としての募集では坪13000円での契約となりましたので、広さ70坪ほどということもあり約56万円の収益向上です。

このように不動産の使用目的が増えると、収益向上の可能性が高まります。この場合は、長期所有でも売却でもどちらでもいいと思います。

◆不動産所有者に直接交渉する方法

こちらも高い交渉術が必要となってきます。仕入系の不動産業者が行なっている営業活動の業務とほぼ同じです。対面もしくは電話や書面で不動産所有者に接触し、交渉するのです。土地や建物の所有者情報は、法務局にて登記簿謄本を申請すると得られます。他には、競売の3点セットにも情報が載っています(締め切りまでのスケジュールが厳しいのと債権者(金融機関)と交渉しなければならないのが大変ですが、債務者との利害は一致しています)。

そして交渉が成功したら契約に進みます。自分で契約書を作成する場合は、雛型がインターネットで取得できますので活用するのも良いと思います。しかし、契約書などの書類作成が煩わしい場合は不動産業者に作ってもらいましょう。その場合、不動産業者の業務は書類作成と契約の立会いだけですので、手数料の金額交渉は忘れずにしてください。取引金額の大小にかかわらず、安く抑えられる業者があるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

個人投資家でも不動産業者を超えることができる方法を3点ご紹介いたしました。

・家賃交渉

・用途変更

・不動産所有者に直接交渉する

これら以外では、多くの資産を持っていると金融機関からの融資条件が良くなる傾向にあるので、定期預金をするなど金融機関との付き合いもテクニックの一つといえるかもしれません。

ちなみに、今まで出会った投資家の中で一番好条件だった方は、三菱UFJ銀行で20年を超える長期ローン、固定金利0.5%という内容でした。ただ、ここまでの好条件を引き出せるのは相当な資産と運用実績が必要となりますので、誰でも同じ条件になるとはいえません。

余談ですが、自ら不動産業者に入社し、お客さんや仲介業者などのネットワークを広げている方もいらっしゃいました。しかし、不動産業者に入社する際の雇用契約書には「営業で知り得た一切の情報を外部に漏らさないこと。守らなかった場合には保証人へ損害賠償」などの内容が記載されていることが多く、裁判沙汰にまで発展する可能性がありますのでお勧めできません。ただし、不動産業者(会社にもよりますが)もサービス残業などの労働基準法違反を犯すことは珍しくなく、勤務時間以外の人付き合いは口出しできないともいえるかもしれません。あくまで自己責任でお願いします。

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損をしない投資方法

世の中には99%損をしない不動産の投資方法があります。

おまけに、利益率はそこまで高くないものの、リスクは限りなく低い投資法をご紹介いたします。

それは知人に、所有する物件の借主になってもらうのです。この手法は、多くのネットワークを必要としますが、これが可能であればどんな物件でも投資物件として成り立ちます。

また、逆にこの方法を悪用して稼いでいる方もいますのでお気をつけください。手口としては、販売目的で物件を購入し知人に賃貸するのですが、売れた後は知人に退去させ再度新しい物件に投資を行うのです。

法律的にどうなのか分かりかねますが、物件選びの際はそういったリスクを減らすためにも実際の需要があるものを検討してください。

こここまで悪質でないにしても、最近の自社物件にサブリースをつけて販売している不動産業者も似た事業スキームだと感じることがあります。

彼らは、相場よりも高めな賃料を想定し、収益還元法で価格を計算した物件を素人に売りつけます。実際はシミュレーションで想定している家賃が入っていなくても、サブリースで物件の本来の力を隠して提案しているのです。将来はサブリースの打ち切りや減額が待っているのに、サブリースなので収益は下がらないというのが彼らの理論です。

さらに本人達は嘘を言さらに本人達は嘘を言っていると気づいていないところが最も質が悪く、こういった悪質な教育をする業者は業界から撤退していただきたいですが、投資家の皆さまも騙されない努力が必要です。

最後に

近年の不動産投資で値上り益を出すのは難しくなっています。また、安く仕入れるのも根気が必要です。

しかし、不動産投資は再現性が高いので、物件が良ければ安定して利益を出すことが可能な心強い資産です。そんな数少ない優良物件を見逃さないためには、判断は早く、正確にできる必要があります。ですので、日頃から売物件をチェックされることをお勧めします。物件をチェックする際、購入したい物件の種類(戸建やマンションなど)を絞り込んでおくのも良いでしょう。

こちらのページには、種類別に不動産の投資戦略をまとめましたので、あわせてご参考ください。

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